バカやロー!


昨日、市の乳児検診があった。
体重9.3キロ、身長71センチ。
10カ月児としてスクスク順調に育っている息子であったが、
血液検査で引っかかってしまった。


ヘモグロビン濃度が通常ではあり得ない数値になっているとのこと。
「この月齢じゃ考えられないんだけど」と、
医者は首をかしげながら多血症と診断した。
わかりやすく言えば貧血の反対の状態で、
血が濃すぎてドロドロの状態になっているという。
「とりあえず精密検査受けてください」


その瞬間、目の前が真っ黒になってしまった。
こんなに元気なのに、
こんなによく笑うのに、
こんなに食欲旺盛なのに、
どこに問題があるんじゃー!


家に戻り、
ボクもヨメも互いに平静を装うが、
何も知らず無邪気な笑顔を振りまく息子を見ていると、
ついつい涙が出そうになる。


心の中を覆う不安の雲はどんどん大きくなっている。
「どうか何事もありませんように」と祈りながら、
眠れない夜を過ごした。


そして今日。
息子を病院に連れて行ったヨメさんから携帯にメールが入った。
「どこも異常はなかったよ」


ほっとした。
仕事中だけどヨメさんに電話をかける。


「ヘモグロビン濃度は基準値内」
「市の検診の数値は誤差だろう」
「足の裏からの採血が問題だったのではないか」
「何もないので安心してください」


詳しい説明を聞いて、
みるみるうちに視界がクリアになっていった。
目尻に涙が伝う。
早く家に帰って、
息子の丸々とした頬をムギュとつかみたかった。


子を持って喜びが増える一方、
こうやって心配事も尽きないわけで、
親って大変なんですホント。